長岡花火旅②|一発ごとにフィナーレ級、夜空を染めた光と、帰路への全力疾走
■ 花火の幕が上がる瞬間
信濃川の川風がひんやりと頬に触れ、観覧席全体が暗闇に包まれる。右岸ベンチマス席に腰を下ろした私は、心臓の鼓動が自然と速まるのを感じていた。周囲のざわめきが一瞬すっと引き、夜の空気が張り詰めたとき、最初の一発が打 ...
長岡花火旅①|東京から車で、渋滞と事故を越えてたどり着いた右岸ベンチ席
■ 東京出発、夏の長距離ドライブが始まる
8月3日、夏の日曜日。まだ陽が高くなる前に東京を出発した。目的はただひとつ、日本三大花火のひとつ「長岡まつり大花火大会」。夜には信濃川両岸が光と音の洪水に包まれる。その一瞬を目に焼き付けるために ...
沼津花火旅②|自由席で見上げる夜空、強風と交通規制を越えて――始発に滑り込み、小田原からロマンスカーで新宿へ
夕方の涼しさがすっと背中に入り込み、会場の空気が切り替わる。自由席のあちこちで、膝の上に上着を掛ける人、飲み物を買い足しに立つ人、カメラの設定を確かめる人。私たちのシートはペグでしっかり固定済み。座面にこもる地熱がじわりと膝に伝わり、 ...
沼津花火旅①|新宿から小田原、そして東海道線で沼津へ――アジフライとミカンのかき氷、花火の自由席を確保するまで
新宿の朝は、通勤と行楽が混じり合う独特のざわめきがある。改札を抜け、小田急線のホームへ向かうと、ホーム端に積まれた広告ラックの紙の匂い、発車を知らせるチャイムの短い旋律、行き先表示の電光掲示—それらが一気に「旅のスイッチ」を押してくれ ...